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<<   作成日時 : 2005/10/10 14:43   >>

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昨日の午後、映画「この胸いっぱいの愛を」を観てきました。
大ヒットした「黄泉がえり」の監督、原作者などスタッフが再結集して制作されたというので、また泣かせる映画なのかと思っていましたが、良い意味で期待を裏切られました。

この映画は、感動して泣きたいと考えている人や泣けるのが良い映画と考えている人には、お勧めしません。
たぶんスタッフは、自分たちが作り、泣き映画ブームの火付け役と言われるまでになった「黄泉がえり」を超えるために、あえて単純な泣き映画は作らないと決意して制作しているように思えます。
その分、生きるということを考えさせる、メッセージ性の強い映画になっています。

百貨店の弁当フェア担当である鈴谷比呂志(伊藤英明)は、出張のためにNJA224便の飛行機へ搭乗して、小学生時代を過ごした北九州・門司を訪れます。変化のない門司の空気、海、街並を感じつつ、幼い日に祖母と過ごした旅館を訪ね、郷愁に浸る彼の前に、ひとりの少年・ヒロ(富岡涼)が行き過ぎます。
言葉を失い、動揺しながらも「あれは20年前の僕だ」というモノローグ。
そして一転「俺かよー!」と叫び、黒バックにタイトルの「この胸いっぱいの愛を」が表示されるオープニングは、ちょっとコメディタッチで、泣かせるだけの映画になることを拒絶しています。
また同時に、この映画のストーリーテーラーとしての鈴谷比呂志の役割を確定させ、さらには時間を越えて自分自身に会い、関与してもタイムパラドックスが(この映画では)発生しないことを示唆する見事な演出です。

このあと、主人公のほかにNJA224便に搭乗した、若いヤクザの布川輝良(勝地涼)、存在感のない臼井光男(宮藤官九郎)、盲目の老婦人(倍賞千恵子)の3名が、20年前にタイムスリップしていることがわかります。

そして、ある出来事をきっかけに、比呂志はヒロと同じ部屋に暮らし、旅館に住み込みで働くことになります。そこで彼はひとりの女性と再会します。それは、ずっと比呂志の胸に住み続けていた憧れの女性、和美姉ちゃん(ミムラ)でした。
青木和美は難病にかかっており、手術を拒否してこの世を去ってしまい、大好きな和美姉ちゃんを救えなかったことが、ずっと比呂志の心にひっかかっていました。
しかし、いまなら、まだ和美姉ちゃんが生きているということを知り、彼には複雑な思いがこみ上げてきます。

大人になった比呂志は、大好きな和美姉ちゃんを救うことができるのか?という話を中心に、タイムスリップしたほかの3名のエピソードが散りばめられ、物語は展開されます。

物語のキーとなる伏線は「黄泉がえり」に通じるものがありました。
でも、だからこそ、「生きたくても生きられない人間だっているんだ!」というセリフやどんなに生きることが辛くても「それでも生きろ」という言葉が生きたと思います。
あっ、あと人生はやり直せないという意味での「待ったなし!」も。

ただ、それらのメッセージを活かすなら、最後のシーン(夢のシーン?)は要らなかったような気がしました。


写真は、購入したパンフレットの表紙。

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